覚王山の法務お役立ち情報

人生100年時代の生活と活躍を応援!

酒類販売業免許

2025-01-01 15:34:57
2025-01-04 11:55:00
目次

酒類販売業とは

酒類販売業免許は、酒税法に基づき、酒類の販売を適正に管理し、税収を確保するとともに、公正な取引環境を維持するための制度であり、販売場ごとに、その販売場の 所在地の所轄税務署長から販売業免許を受ける必要があります。

販売業免許には消費者や飲食店営業者等に対して販売する小売業免許と卸売業者や製造業者に対して販売する卸売業免許があります。

主な小売業免許には以下のとおりです。

  • 一般酒類小売業免許
    販売場において全ての品目の酒類を販売するもの(除く、通信販売を除く)
    消費者、料飲店営業者又は菓子等製造業者に対して酒類を継続的に販売することができる免許であり、他の酒類販売業者に対して酒類を販売することはできません

  • 通信販売酒類小売業免許
    2都道府県以上の広範な地域の消費者等を対象に、商品の内容、販売価格等の条件をインターネットやカタログにて提示し、販売する通信販売によるもの
    ただし、2都道府県以上の電話やインターネット等による受注販売であって も、一般的に自己の販売場の近隣エリア(商圏)であれば、一般酒類小売業免許の対象となる

免許の要件

酒類販売業免許を受けるためには、以下の要件を満たす必要があります

人的要件

  • 酒類販売業免許などの取消処分を受けた日から3年経過していること

  • 申請前2年内に国税または地方税の滞納処分を受けていないこと

  • 禁錮以上の刑に処せられ、刑の執行が終わった日から3年を経過していること など

場所的要件

  • 申請販売場が、販売業免許を受けている 酒類の販売場、酒場又は料理店等と同一の場所でないこと

  • 申請販売場における営業が、販売場の区画割り、専属の販売従事者の有無、代金決済の独立性その他販売行為において他の営業主体の営業と明確に区分されていること

経営基礎要件

  • 免許の申請者が破産手続開始の決定を受けて復権を得ていない場合

  • その経営の基礎が薄弱であると認められる場合
    ・国税又は地方税を滞納している場合
    ・申請前1年以内に銀行取引停止処分を受けている場合
    ・最終事業年度の貸借対照表の繰越損失が資本等の額を上回っている場合
    ・申請販売場において酒類の適正な販売管理体制が明らかに構築されていないと見込まれる場合など

需給調整要件

酒税の保全上酒類の需給の均衡を維持するにあたり、販売業免許を与えることが適当でないと認められる場合

  • 設立の趣旨からみて販売先が原則としてその構成員に特定され ている法人又は団体

  • 酒場、旅館、料理店等酒類を取り扱う接客業者

申請手続き

  • 申請にあたっては、酒類販売業免許申請書のほか、販売場の敷地や配置図、販売設備、収支計画、資金計画、販売管理計画を作成し、提出する

  • 審査期間:申請書の提出があった日の翌日から2ヶ月以内
    (但し資料の補正等にかかる日数は追加でかかります)

免許取得後の継続的な手続き

酒類販売業免許を取得した後も、以下の手続きや管理が求められます

酒税法上の義務

記帳義務
  • 酒類の仕入れや販売に関し、数量、価格、仕入れや販売年月日、仕入れ先や販売先の住所・氏名又は名称を帳簿に記載すること(帳簿の様式は定められていません)

  • 帳簿は販売場ごとに常時備え付けておき、帳簿閉鎖後5年間保存すること

申告義務
  • 毎年度報告するもの:毎年度の品目別販売合計数量と年度末在庫

  • 都度報告するもの:住所や氏名等の異動時、倉庫の新設又は廃止時など

届出義務

販売場等で酒類を詰め 替えようとする場合
(販売業者が仕入れた酒類をあらかじめ別の容器に小分け等して陳列販売を行うこと)

酒類業組合業法上の義務(酒類販売管理者の選任)

  • 販売場ごとに、酒類の販売業務を開始する時までに管理者を選任すること

  • 選任要件
    ・酒類販売管理研修を過去3年以内に受けた者
    ・未成年者や精神の機能障害により職務を適正に置こうことができない者でないこと など

  • 管理者は、酒類小売業者又は酒類の販売業務に従事する使用人等に対し、業務を実施するために必要な助言又は指導を行う

  • 管理者を選任又は解任したときは、2週間以内に所轄税務署長に届け出ること

  • 酒類販売管理者は前回の受講から3年を超えない期間ごとに研修実施団体が実施する酒類販売管理研修を受講すること

免許取得後の各種手続

  • 販売場を移転しようとする場合

  • 販売業者に相続が発生し、相続人が引き続き酒類販売業を継続しようとする場合

  • 販売業者につき事業譲渡が発生し、譲受人が引き続き酒類販売業を継続しようとする場合

  • 販売業者が法人成りする場合

標識の掲示事務

小売業者は、販売場ごとに、公衆の見やすい場所に、酒類販売管理者の氏名や酒類販売管理研修の受講実績等を記載した標識を掲げること

二十歳未満の者の飲酒防止に関する表示基準の遵守

  • 酒類の陳列場所における表示

  • 酒類の自動販売機に対する表示

  • 酒類の通信販売における表示

その他

  • 20 歳未満の者の飲酒を防止するため、20 歳以上の者であることを確認した上で酒類を販売すること

  • 公正な取引の確保
    国税庁が定める合理的な価格の設定、取引先等の公正な取扱い、公正な取引条件の設定及び透明かつ合理的なリベート類といった公正な取引のあり方等を遵守すること

  • 酒類容器のリサイクルの推進

本記事へのお問い合わせは、倉園行政書士事務所までよろしくお願いします。

この記事を書いた人

yushikurasono